長引く足裏の痛み|原因の見立てを確かめ直すという選択
ストレッチを続け、インソールを作り替え、それでも朝の一歩目が痛い。半年、1年と経過している——そういう方がいらっしゃいます。
痛みが長く続いているとき、原因がまだ特定できていない可能性があります。
この記事では、足裏の痛みの原因がどこまで画像でわかるのか、そして原因を確かめ直すことにどんな意味があるのかを整理します。
レントゲンには写らないものがあります
レントゲンでわかるのは、主に骨の状態です。骨折や変形、骨棘の有無は確認できます。
一方で、足裏の痛みの原因として多い次のような組織は、レントゲンには写りません。
- 足裏の脂肪(脂肪パッド)
- 足底腱膜
- 腱・靭帯
「レントゲンで異常なし」は、「骨に異常がない」という意味であって、「足に異常がない」という意味ではありません。この違いが、原因の特定を難しくします。
かかとの痛みには、もう一つの原因があります
かかとの痛みといえば足底腱膜炎を思い浮かべる方が多いのですが、別の原因も知られています。
踵部脂肪褥症候群(しょうぶしぼうじょくしょうこうぐん)——足裏のクッションである脂肪が減少・萎縮することで、骨への衝撃が直接伝わるようになる状態です。
足底の脂肪パッドの萎縮は、60歳以上の成人の約3分の1、70歳以上の約半数にみられると報告されています(Minteer ら/Plast Reconstr Surg, 2018)。加齢に伴って誰にでも起こりうる変化です。
腱膜への治療を続けても変化がない場合、原因がこちらにある可能性があります。腱膜へのアプローチでは、減ってしまった脂肪は戻らないためです。
詳しくは「その踵の痛み、本当に足底腱膜炎ですか」で解説しています。
こんな経過に心当たりはありませんか
- ストレッチやインソールを続けているが、変化がない
- フローリングを裸足で歩くと、骨が直接当たるような痛みがある
- インソールを入れた靴では楽になるが、室内では痛い
- 削ってもタコやウオノメがすぐ再発する
- ステロイド注射を繰り返すうちに、その部分が凹んできた
- 「年齢のせいだから仕方がない」と考えて、そのままにしている
インソールで楽になるのに室内では痛いという場合、圧力の分散はできていても、クッションそのものが足りていない可能性があります。インソールで改善しない理由もあわせてご覧ください。
原因を確かめる方法があります
超音波(エコー)で見えるもの
当院では、レントゲンに加えて超音波診断装置(エコー)を用いて、足裏の状態を確認します。
エコーでは、足裏の脂肪の厚みや足底腱膜の状態をその場で画像として見ることができます。痛みのある部位と画像上の所見が一致するかを確認することで、原因を絞り込みます。
検査そのものの負担はありません
針を使わないため痛みはなく、放射線被ばくもありません。画像を一緒にご覧いただきながらご説明します。
必要に応じて、提携医療機関でMRI撮影を行い、より精密な評価を行う場合もあります。
検査でわかるのは「一致しているか」です
痛みの訴えと画像所見が一致していれば、原因の見立てはかなり絞り込めます。逆に一致しない場合は、別の可能性を検討する必要があります。どちらの結果であっても、次に何をすべきかがはっきりします。
時間が経つと何が起きるか
足裏の痛みは、時間が経てば自然に治るという性質のものばかりではありません。
痛みをかばう歩き方が続けば、膝や腰に負担が及ぶことがあります。外出が億劫になり、活動量が落ちていくこともあります。
原因がはっきりしないまま経過をみることと、原因を確かめたうえで経過をみることは、意味が異なります。 後者であれば、変化が出たときに何を疑えばよいかがわかります。
受診の際にご用意いただくもの
現在ほかの医療機関に通院されている場合も、受診いただけます。
お持ちいただくと役立つもの
| 持ち物 | なぜ役立つか |
|---|---|
| これまでのレントゲン・MRI画像 | 経過の比較ができます |
| 紹介状・診療情報提供書 | 診断名と治療歴が正確にわかります |
| お薬手帳 | 服用中の薬と注射歴が確認できます |
| 使用中のインソール | 実際の除圧の効き方を確認できます |
| 普段履いている靴 | 靴底の減り方に歩き方が現れます |
これらが揃っていなくても受診は可能です。「何も持っていないから行きづらい」ということはありません。
通院先との関係について
当院での検査結果をお伝えし、これまでの治療を続けていただくという選択も当然あります。転院を前提とするものではありません。
ご希望があれば、検査結果を主治医の先生へお渡しします。
治療を強くおすすめすることはありません
「原因を知りたいだけ」という受診で構いません。
検査の結果、経過観察が妥当という判断になることもあります。保険診療やインソールで対応できる場合もあります。その場で治療をお決めいただく必要はありません。
当院では、足裏脂肪移植、足裏クッション補充注射(コラーゲン誘導タイプ)、足裏クッション補充注射(ヒアルロン酸タイプ)、PRP療法といった自由診療のほか、外反母趾手術、巻き爪の処置、オーダーメイドインソール、歩行診断など、幅広い選択肢をご用意しています。
原因が分かると、次にやることが決まります
同じ治療を続けても変化がないとき、必要なのは治療を増やすことではなく、見立てが合っているかを確かめることです。
エコー検査はその場で終わり、結果もその場でご覧いただけます。
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診療は予約制です。Webの予約フォーム、またはお電話(03-6838-0078)でご予約ください。
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当院について
リスク・副作用:足裏脂肪移植をはじめとする注入・移植治療は自由診療(保険適用外)です。足裏脂肪移植の費用は両側880,000円・片側660,000円(いずれも税込、術後用オーダーインソール作成費用を含む)で、このほかに初診料5,500円・カウンセリング料13,200円・術前検査13,200円・術後用物品セット15,000円・術後消毒セット1,500円・抜糸処置5,500円・術後診察の再診料2,200円×4回がかかります。脂肪を採取する部位の内出血・痛み・腫れ・皮膚の凹凸・色素沈着、移植部位の生着不全・石灰化・感染・血腫・左右差・シスト形成などのリスク・副作用が生じる可能性があります。
足裏クッション補充注射(コラーゲン誘導タイプ)および足裏クッション補充注射(ヒアルロン酸タイプ)で用いる製剤は、足底部への使用について国内で薬事承認を受けていない未承認医薬品・未承認医療機器です。 いずれも医師個人の責任のもとで輸入したものを使用しています。入手経路、国内の承認医薬品等の有無、諸外国における安全性等に係る情報は足裏脂肪移植の費用のページに記載しています。
参考文献
- Minteer DM, Gusenoff BR, Gusenoff JA. Fat Grafting for Pedal Fat Pad Atrophy in a 2-Year, Prospective, Randomized, Crossover, Single-Center Clinical Trial. Plast Reconstr Surg. 2018;142(6):862e-871e.
監修:菊池 守(リカルナクリニック)