COLUMN

足の健康コラム

足の痛みの検査方法|エコー・歩行解析・MRIでわかること

超音波(エコー)検査——論文での活用例

「足の痛みで受診したいけど、どんな検査をするのだろう」——検査内容への不安は、受診をためらう理由の一つです。ここでは、足の痛みの診断に使われる主な検査方法と、それぞれの特徴をご紹介します。

超音波(エコー)検査は、足の痛みの評価に広く用いられている非侵襲的な検査です。放射線を使わないため体への負担がなく、リアルタイムで組織の状態を観察できるという利点があります。

トルコのBelhanらが2019年にActa Orthopaedica et Traumatologica Turcica誌に発表した研究では、超音波検査を用いて踵部および第1中足骨部の脂肪パッドの厚さが計測されています。この研究により、脂肪パッドの萎縮の程度を客観的な数値として評価できることが示されました。

デンマーク・オールボー大学のChangらが2022年にJournal of Foot and Ankle Research誌に発表したスコーピングレビューでは、踵部脂肪パッド症候群(HFPS)の画像診断に超音波検査が有用であることが報告されています。脂肪パッドの薄さを超音波で確認することが、HFPSの診断の裏付けとなります。

さらに、ピッツバーグ大学のGusenoff BRらが2022年にPlastic and Reconstructive Surgery誌に発表したRCTでは、慢性足底腱膜炎の診断基準として「腱膜の厚さ4mm以上」という超音波所見が使用されています。超音波検査では、腱膜の厚さと脂肪パッドの状態を同時に評価できるため、痛みの原因が腱膜にあるのか、脂肪パッドにあるのか、あるいはその両方なのかを判断する上で非常に重要な検査です。

MRI——3D体積分析の技術

MRI(磁気共鳴画像)は、超音波検査よりもさらに詳細な画像を得ることができる検査方法です。磁場と電波を利用するため、放射線の被曝がないのも特徴です。

ピッツバーグ大学のRuaneらが2019年にPlastic and Reconstructive Surgery誌に発表した研究では、MRIによる3次元体積解析を用いて、足裏の脂肪パッドの体積と厚みが定量化されました。この研究では、脂肪移植後の体積増加(p=0.04)と厚みの増加(p=0.008)が有意であることが確認されています。

MRIの信号特性も重要な情報を提供します。脂肪組織はT1強調画像で高信号(明るく)表示され、T2強調画像やSTIR画像では炎症や浮腫があると高信号を示します。これにより、脂肪パッドの量的な評価だけでなく、組織の質的な変化(炎症の有無など)も評価することができます。

MRIは超音波検査に比べて検査時間が長く費用も高くなりますが、足全体の構造を3次元的に評価できるという大きな利点があります。特に手術や脂肪移植などの治療を検討する場合には、MRIによる詳細な評価が重要です。

歩行解析

歩行解析は、歩いている時の足の動きや足底圧の分布を計測・分析する検査です。

スイス・バーゼル大学のMenzが2015年にGerontology誌に発表したレビューでは、足底圧分析が足の問題の評価に有用であることが示されています。専用のセンサーマットや靴の中に入れるインソール型センサーを使い、歩行中にどの部位にどの程度の圧力がかかっているかを可視化します。

歩行解析は、たこやうおのめの原因となる圧力の偏りの特定、インソールの効果の評価、手術前後の機能変化の比較、転倒リスクの評価などに活用されます。数値やカラーマップで結果が表示されるため、患者さんにとっても理解しやすい検査です。

ABI検査と総合評価

ABI(足関節上腕血圧比)検査は、足の血流状態を評価する簡便な検査です。足首と腕の血圧を同時に測定し、その比率から下肢の動脈硬化の程度を推定します。

正常なABI値は1.0〜1.3程度です。0.9以下の場合は末梢動脈疾患(PAD)の可能性があり、足の血流が不十分な状態を示唆します。糖尿病の方や喫煙者、高血圧の方などは定期的なABI検査が推奨されます。

足の痛みの診断では、これらの検査を組み合わせた「総合評価」が重要です。超音波検査で脂肪パッドと腱膜の状態を評価し、必要に応じてMRIで詳細な構造を確認し、歩行解析で機能的な問題を把握し、ABI検査で血流状態を確認する——こうした総合的なアプローチにより、痛みの原因を正確に特定し、適切な治療計画を立てることが可能になります。

まとめ

足の痛みの原因を正確に診断するためには、適切な検査が欠かせません。超音波検査、MRI、歩行解析、ABI検査など、それぞれに特徴があり、組み合わせて用いることで、より正確な診断が可能になります。

足の痛みの原因を知りたい方、受診を検討されている方は、ぜひ一度RiCarna Clinic(リカルナクリニック)にご相談ください。超音波検査をはじめとした各種検査を用いて、痛みの原因を正確に評価いたします。

※本コラムは一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状がある方は必ず医師にご相談ください。