足裏脂肪移植の費用|料金の内訳と、検討時に確認しておきたいこと
足裏の痛みが続き、インソールや注射をひととおり試したうえで「足裏脂肪移植」にたどり着く方は少なくありません。そして多くの場合、最後に立ち止まるのが費用です。
ここまで来た方ほど、これまでに靴やインソール、注射に相応の金額を費やしています。だからこそ、金額だけを見るのではなく、その費用が何に対して支払われるものなのかを理解したうえで判断していただきたいと考えています。
このページでは、手術費用そのものだけでなく、診察・検査・術後にかかる費用を含めた「治療が完了して普通に歩けるようになるまでの総額」を整理します。
手術費用
当院の足裏脂肪移植の手術費用は以下のとおりです(すべて税込・自由診療)。
| 施術名 | 料金(税込) |
|---|---|
| 両側 足裏脂肪移植(術後用オーダーインソール作成費用を含む) | 880,000円 |
| 片側 足裏脂肪移植(術後用オーダーインソール作成費用を含む) | 660,000円 |
| オプション:静脈麻酔 | 110,000円 |
静脈麻酔はオプションです。手術そのものは局所麻酔やブロック麻酔でも行えますので、必須の費用ではありません。手術に対する不安が強い方が選択されています。
手術費用に含まれるもの
手術費用には、単に脂肪を注入する手技だけでなく、次の工程が含まれます。
- お腹または太ももからの脂肪採取(専用カニューレによる吸引)
- 採取した脂肪の精製(遠心分離により水分・不純物・遊離した油分を除去し、健全な脂肪細胞のみを濃縮)
- エコーガイド下での注入(神経や血管を避け、脂肪が萎縮した層へ層状に細かく注入)
- 移植部位を保護する固定処置
- 術後4週間の免荷期間を終えたあとに使用する、オーダーメイドインソールの作成費用
施術時間は前後の準備を含めて約3時間です。
インソールを単体で作成した場合の費用は55,000円ですが、足裏脂肪移植ではこれが手術費用に含まれます。免荷期間の終了後、フェルトによる除圧からインソールへ移行するところまでが一連の治療という考え方によるものです。
手術費用以外にかかる費用
治療費のほかに、診察・検査・術後管理の費用がかかります。
診察・カウンセリング
| 項目 | 料金(税込) |
|---|---|
| 初診料 | 5,500円 |
| カウンセリング料(術前エコー検査を含む) | 13,200円 |
| 再診料 | 2,200円 |
術前検査
| 項目 | 料金(税込) |
|---|---|
| 足の血流検査・術前血液検査 | 13,200円 |
術後にかかる費用
| 項目 | 料金(税込) |
|---|---|
| 術後用物品セット(脂肪採取部の圧迫用サポーター、専用サンダル、サンダルカバー、シャワーカバー、杖レンタル) | 15,000円 |
| 術後消毒セット(消毒スティック5本、絆創膏) | 1,500円 |
| 抜糸処置 | 5,500円 |
| 術後診察(1か月後・3か月後・6か月後・12か月後の計4回/各再診料) | 2,200円 × 4回 |
このほか、必要に応じて提携医療機関でMRI検査を行う場合があります(費用は撮影施設の規定によります)。
総額の目安
上記をすべて合算した場合の目安は次のとおりです(MRI検査・静脈麻酔を含まない場合)。
| 内訳 | 両側 | 片側 |
|---|---|---|
| 初診料 | 5,500円 | 5,500円 |
| カウンセリング料 | 13,200円 | 13,200円 |
| 術前検査 | 13,200円 | 13,200円 |
| 手術費用 | 880,000円 | 660,000円 |
| 術後用物品セット | 15,000円 | 15,000円 |
| 術後消毒セット | 1,500円 | 1,500円 |
| 抜糸処置 | 5,500円 | 5,500円 |
| 術後診察(4回) | 8,800円 | 8,800円 |
| 合計(目安) | 942,700円 | 722,700円 |
静脈麻酔を選択される場合は、これに110,000円が加わります。
実際に何がどこまで必要かは、状態や検査内容によって変わります。当院ではカウンセリングの段階で、この総額の見通しをお伝えします。
なぜ保険が使えないのか
足裏脂肪移植は自由診療です。ご自身の脂肪を採取・加工して足裏に移植するという治療が、公的医療保険の給付対象として定められていないためです。
一方で、足の痛みに関わる診療のすべてが保険適用外というわけではありません。変形の手術や陥入爪の処置など、保険が適用される治療もあります。詳しくは「足の治療に保険は使える?」で整理しています。
「まず保険診療の範囲でできることを試したい」というご希望も、遠慮なくお伝えください。適応を確認したうえで、選択肢を整理してご提案します。
他の治療法と、費用の「かかり方」が違う
足裏の痛みに対する治療にはいくつか選択肢があり、費用の考え方がそれぞれ異なります。単純な金額の比較ではなく、費用がどのように発生し続けるかという観点で見ると違いがはっきりします。
| 治療 | 料金(税込) | 費用の構造 |
|---|---|---|
| 足裏脂肪移植 | 880,000円(両側) | 初期費用が大きく、その後の追加が生じにくい |
| 足裏クッション注射 | 220,000円 | 回数は状態により異なる |
| 足底ヒアルロン酸注射 | 66,000円〜 | 9〜12ヶ月ごとの再注入を前提に考える |
| PRP療法 | 132,000円/1回(3回コース330,000円) | 回数を重ねる前提 |
| オーダーメイドインソール | 55,000円 | 摩耗すれば作り替えが必要 |
足裏脂肪移植
ご自身の脂肪を移植してクッションの再建を図る方法です。異物ではなくご自身の組織を用いるため、生着すれば長期にわたる効果が期待できます(効果には個人差があります)。一方で、術後に約4週間の免荷期間(ダウンタイム)が必要で、費用も高額です。
足裏クッション注射
コラーゲン生成を刺激する製剤を注入し、ご自身の組織の再生を促す方法です。注入直後から歩行でき、免荷期間は不要です。効果は徐々に現れます。
足底ヒアルロン酸注射
即効性があり、ダウンタイムがほとんどなく直後から歩行できます。ただし9〜12ヶ月程度で吸収されるため、効果を維持するには繰り返しの注入が必要です。
オーダーメイドインソール
靴の中に入れて衝撃を分散させる方法です。手軽で体に負担がなく、靴を履いている間は高い除圧効果が得られます。ただし室内で裸足のときの痛みは解決しませんし、足そのものの構造が変わるわけではありません。
どれが適しているかは、痛みの原因、生活スタイル、ダウンタイムを確保できるかによって変わります。詳しくは「脂肪移植・クッション注射・ヒアルロン酸・PRPの違い」をご覧ください。
効果がどのくらい続くのか
海外で行われた2年間の前向き無作為化クロスオーバー試験では、足底脂肪パッド萎縮に対する脂肪移植の効果が少なくとも2年間持続したと報告されています。ただし効果や持続期間には個人差があります。
Minteer DM, Gusenoff BR, Gusenoff JA. Fat grafting for pedal fat pad atrophy in a 2-year prospective, randomized, crossover, single-center clinical trial. Plast Reconstr Surg. 2018;142(6):862e-871e.
費用を年単位でならして考えるとき、この持続期間が判断材料のひとつになります。
費用を考えるうえで、見落とされやすい前提
費用の比較で見落とされやすいのが、術後4週間の免荷期間に生じる生活上のコストです。
移植した脂肪が血管とつながって定着するまでのあいだ、圧力で潰れてしまわないようにする必要があります。屋内・屋外を問わず専用サンダルを着用し、移植部位を強く接地させない生活を送っていただきます。
- 立ち仕事の方は、休業や業務調整が必要になる場合があります
- 通勤経路や自宅の環境によっては、家族の協力が必要になります
- 手術当日は近隣ホテルへの宿泊、または送迎でのご帰宅をお願いしています(宿泊費は別途)
- この期間を確保できないまま受けると、生着不全のリスクが高まります
参考までに、術後の主な経過は次のとおりです。
| 時期 | 経過 |
|---|---|
| 手術当日 | 入浴不可。近隣ホテル泊または送迎で帰宅 |
| 術翌日 | 診察後、シャワーカバーを使用してシャワー浴が可能 |
| 1週間後 | 脂肪採取部の抜糸。足のシャワーも可能に |
| 2週間後 | 専用サンダルでの活動範囲を徐々に拡大。脂肪採取部の圧迫固定はここまで |
| 1か月後 | フェルトを外し、インソールでの歩行を開始 |
免荷期間を確保できるかどうかは、費用と同じくらい重要な検討材料です。詳しくは「術後4週間の免荷期間」で解説しています。
リスク・副作用について
医療行為である以上、次のようなリスクや副作用が生じる可能性があります。費用とあわせて必ずご確認ください。
脂肪を採取する部位(お腹・太もも)
内出血、筋肉痛のような痛み、腫れ、皮膚の凹凸、色素沈着などがみられる場合があります。術後2週間は、ガードルやサポーターによる圧迫固定が必要です。
移植する部位(足裏)
- 生着不全:術後の免荷が守られない場合、移植した脂肪が定着せず吸収され、十分な効果が得られない可能性があります
- 石灰化、感染、血腫、左右差、シスト(しこり)の形成
- 術後の一時的な腫れ・痛み・内出血。複数方向から注入するため、少なくとも術後1週間は足底の痛みが続きます
使用する医薬品・医療機器について
足裏脂肪移植は、患者様ご自身の脂肪組織を用いる治療です。医薬品や医療機器を体内に留置するものではありません。
一方、本記事で比較として挙げた足裏クッション注射および足底ヒアルロン酸注射で用いる製剤については、次のとおりです。
足裏クッション注射(Sculptra®/ポリ-L-乳酸製剤)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 未承認である旨 | 本製剤は、国内で薬事承認を受けていない未承認医薬品です |
| 入手経路 | 医師個人の責任のもとで輸入(医師個人輸入)しています |
| 国内の承認医薬品等の有無 | 同一の有効成分・効能効果で国内承認を受けた医薬品はありません |
| 諸外国における安全性等に係る情報 | 米国FDAにおいて、2004年にHIV感染者の顔面脂肪萎縮症に対する適応で承認され、その後、鼻唇溝をはじめとする顔面のしわの改善(Sculptra® Aesthetic)についても承認されています。いずれも足底部への使用について承認を受けたものではありません。重大な副作用として、注入部位の結節・肉芽腫形成が報告されています |
足底ヒアルロン酸注射(Neuramis®/架橋ヒアルロン酸製剤)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 未承認である旨 | 本製剤は、国内で薬事承認を受けていない未承認医療機器です |
| 入手経路 | 医師個人の責任のもとで輸入(医師個人輸入)しています |
| 国内の承認医薬品等の有無 | 国内で承認されているヒアルロン酸注入剤はありますが、いずれも顔面のしわ等に対する適応であり、足底部への使用について承認を受けたものはありません |
| 諸外国における安全性等に係る情報 | 韓国MFDS(食品医薬品安全処)の承認を受けた製剤で、Neuramis® Deepは欧州CEマークを取得しています。いずれも足底部への使用について承認を受けたものではありません。重大な副作用として、血管内塞栓、感染、遅発性の結節形成が報告されています |
いずれも医師の判断と責任のもとで行う自由診療であり、国内の医薬品副作用被害救済制度・医療機器等副作用被害救済制度の対象外となります。
よくあるご質問
Q. 両足と片足で料金は違いますか。
両側は880,000円、片側は660,000円です(いずれも術後用オーダーインソール作成費用を含む)。移植する範囲や部位によって内容が変わる場合があるため、診察で状態を確認したうえでお見積りをご提示します。
Q. 分割での支払いはできますか。
お支払い方法についてはカウンセリング時にご案内します。ご希望があればお申し出ください。
Q. インソールは別途費用がかかりますか。
術後用のオーダーメイドインソール作成費用は手術費用に含まれています。将来的に摩耗して作り替える場合は、別途費用が必要です。
Q. 効果が続かなかった場合、追加の費用がかかりますか。
経過には個人差があります。追加の処置が必要になった場合の考え方についても、カウンセリングの段階でご説明します。
Q. カウンセリングだけ受けることはできますか。
可能です。エコーで足裏の脂肪の状態を確認し、適応や選択肢をご説明したうえで、ご検討いただけます。その場でお決めいただく必要はありません。
Q. 医療費控除の対象になりますか。
治療を目的とした医療行為であれば対象となる場合がありますが、最終的な判断は税務署が行います。当院では領収書を発行しています。
Q. 費用をかけずにまず試せる方法はありますか。
インソールや保険適用となる治療で対応できる場合もあります。まずは痛みの原因を確認することをおすすめします。
費用の判断は、原因がわかってからで構いません
足裏の痛みは、脂肪の萎縮以外にもさまざまな原因で起こります。原因が違えば、必要な治療も費用も変わります。
当院では、レントゲンに加えて超音波(エコー)で足裏の脂肪の厚みや腱・筋膜の状態を確認します。費用の話は、その結果を見てからで構いません。
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当院について
監修:菊池 守(リカルナクリニック)