TREATMENT

治療について

外反母趾手術

突き出した親指の付け根を、根本から整える。

外反母趾は、親指が「く」の字に曲がり、付け根の骨が内側に突き出す進行性の変形です。見た目だけでなく、歩行時の痛み・靴選びの制約・隣接する足趾への過負荷など、生活の質を大きく下げていきます。当院では、保険診療から審美性を重視した自由診療まで、患者さまの症状と目的に合わせた低侵襲手術をご提案します。

こんな症状でお悩みではありませんか?

  • 親指の付け根の骨が突き出し、赤く腫れて痛む
  • ヒールやパンプスなどの先の細い靴を履くと強く痛む
  • 親指が人差し指の下に入り込み、変形が進んでいる
  • 足裏にタコ・ウオノメが繰り返しできる
  • インソールや保存療法を続けても改善が見られない
  • 見た目が気になって、素足でサンダルが履けない

ひとつでも当てはまる方は、母趾MP関節(親指の付け根の関節)の不安定化や、足のアーチ構造の崩れが進行している可能性があります。

外反母趾の背景にある「見えない変化」

外反母趾は「骨が出っ張っている」という見た目の問題に目が行きがちですが、実際にはその背後で次のような変化が同時に進行していることが、近年の研究で明らかになっています。

  • 母趾外転筋(親指を外側へ引く筋肉)の菲薄化:超音波検査で、外反母趾の方は健常な方よりも母趾外転筋が薄くなっていることが確認されています。内在筋の萎縮が骨の位置関係を支えきれなくなり、変形を加速させます。
  • 中足骨頭下の皮膚の菲薄化:変形が進むと中足骨頭(足指の付け根の骨)の直下の皮膚や脂肪クッションが薄くなり、タコ・ウオノメが繰り返し生じる原因になります。
  • 胼胝の下の圧力増加:外反母趾のある足では、タコ直下のピーク圧が健常足よりも約10%高いと報告されており、タコ削りだけでは根本解決にならない理由がここにあります。

つまり外反母趾は「骨の配列」「筋肉のバランス」「皮膚・脂肪クッション」が連動して崩れていく疾患であり、骨の矯正と同時に足全体の機能を取り戻すアプローチが重要になります。

治療の概要

外反母趾手術は、ただ突き出した骨の出っ張りを削り取るだけの治療ではありません。変形の根本原因である「骨のアライメント(配列)のずれ」に介入し、母趾の骨を本来の位置に戻すことで、再発しにくい足を目指します。

当院では、切開範囲を最小限に抑えた低侵襲術式を採用し、重症度に応じて複数の術式から最適なものを選択します。軽症〜中等症では保険診療の範囲内で対応可能なケースもありますが多く、審美性・早期復帰を重視する場合には自由診療での術式もご用意しています。

必要に応じて、術後のオーダーメイドインソールによるアーチサポートや、中足骨頭下のクッションを補う足裏脂肪移植・クッション注射を組み合わせることで、再発リスクを下げ、より快適な足元を取り戻すことも可能です。

放置するとどうなるか

  • 変形が進行し、母趾親指が第2趾人差し指の下に潜り込む「転位」が起こる
  • 足裏の圧力分布が崩れ、タコ・ウオノメ・足底腱膜炎を引き起こす
  • 膝・股関節・腰への連鎖的な負担で、全身の歩行バランスが崩れる
  • 重症例では母趾の関節機能そのものが失われ、歩行困難に至ることもある

外反母趾は「放置してもよくならない進行性の変形」です。症状が軽いうちに介入することで、術式の選択肢が広がり、ダウンタイムも短くなります。

治療の流れ

Step 01|カウンセリング・診断

足の形・変形角度(HV角/M1-M2角)・歩行パターンを評価します。X線撮影および超音波検査により、骨の配列・関節・母趾外転筋などの内在筋の状態を正確に把握し、患者さまのライフスタイルとご希望に応じた術式をご提案します。

Step 02|術前準備

血液検査・必要な画像検査を行い、手術当日までの生活指導(内服中止薬の確認など)をご案内します。

Step 03|手術

ブロック麻酔または静脈麻酔下で、骨切り・軟部組織の調整を行います。術式によっては日帰り手術が可能で、切開は最小限に抑えます。

Step 04|術後のフォローアップ

術後専用サンダルの装用期間・リハビリ・定期診察のスケジュールをご案内します。一般的には術後2〜4週間で日常生活に復帰、3〜6ヶ月で骨癒合の完成となります。再発予防のため、オーダーメイドインソールや歩行指導も併用いただくことをおすすめします。

ダウンタイム・術後の注意点

  • 術後はしばらく専用サンダの装用が必要です(術式により4〜6週間)
  • 長時間の立ち仕事・激しい運動は、骨癒合が完成する3ヶ月程度までお控えください
  • 術後1〜2週間は腫れ・内出血が出ることがあります
  • 抜糸は術後約2週間、定期検診は術後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月を目安に行います

リスク・副作用について

  • 術後の腫れ・内出血・創部痛
  • まれに感染、神経障害、骨癒合不全
  • 再発の可能性(術後のケア・靴選びにより大きく影響されます)
  • 仕上がり(角度・見た目)の個人差
  • 瘢痕(傷あと)の個人差

料金

項目料金(税込)備考
外反母趾手術(低侵襲手術)220,000円重症度・術式による
足の突出部骨削り(自由診療)110,000円軽度の突出部除去を希望される場合
静脈麻酔追加110,000円ご希望または必要と判断された場合
初診料5,500円
再診料2,200円
カウンセリング料(20分・自由診療希望時)13,200円※カウンセリングのみの場合

※自由診療の料金はすべて税込表示です。保険診療が適応となるかは診察のうえで判断いたします。

よくあるご質問

Q. 手術は日帰りで受けられますか?

A. 術式と重症度により異なります。軽度〜中等度の症例では日帰りでの手術が可能ですが、両足同時手術や静脈麻酔を併用する場合は、状況に応じて対応をご説明します。

Q. 術後どれくらいで歩けますか?

A. 術直後から専用サンダルを装用しての歩行が可能です。通常の靴が履けるようになるまでは概ね4〜6週間、ヒールの着用は3ヶ月以降を目安にご案内します。

Q. 保険は使えますか?

A. 症状が基準を満たす場合は保険診療が適用されます。審美性を重視した術式や、早期復帰を目的とする術式は自由診療となります。

Q. 再発しませんか?

A. 術後の靴選び・歩行指導・インソールによるアーチサポートを組み合わせることで、再発リスクを大幅に下げることができます。当院では内在筋のエクササイズ指導や、必要に応じた中足骨頭下のクッション補充まで含めたトータルフォローを重視しています。

Q. 両足同時に手術できますか?

A. 可能です。ただし術後のリハビリ期間が長くなるため、ライフスタイルに応じて片足ずつ行うケースもあります。